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ダイハツ コペンとホンダ S660徹底比較!

コペン S660

スポーツカーはドライバーが運転性能を楽しむために特化した車種なので、実用性は移動装置という以外、ほとんどありません。

小型車や普通車のスポーツカーになると、実用性の乏しさから購入者も限られてしまいますが、軽自動車であれば安価で手に入ることからニーズも多く、これまでにも多くのスポーツカーが販売されています。

現在の軽自動車で代表的なスポーツカーといえば、ダイハツのコペンとホンダのS660です。両車の個性と走行性能、インパネ回りを徹底比較します。

20秒で開閉する電動ルーフを備えたコペン!

コペン S660
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1280mm
ホイールベース:2230mm
車内長:910mm
車内幅:1250mm
車内高:1040mm
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1180mm
ホイールベース:2285mm
車内長:895mm
車内幅:1215mm
車内高:1020mm

コペン、S660ともにオープン2シータースポーツカーですが、その個性を決める大きなポイントとなっているのがエンジンレイアウトと駆動方式です。

コペンは一般的な軽自動車と同じくフロントにエンジンを搭載、前輪を駆動させるFF方式を取っていますが、S660は座席の後ろにエンジンを搭載、後輪を駆動させるMR(ミッドシップ・リアドライブ)方式を採用しています。このレイアウトの違いが両車の各部に大きな影響を与えています。

全長と全幅が定められている軽自動車のボディサイズ規格では乗員空間の確保が最優先課題となりますが、オープン2シーターは(当然ながら)2人乗りのため、空間確保をそれほど重要視せずにボディを自由に設計できます。

コペンはフロントにエンジンと駆動関係の部品を詰め込んでいるのでボディ後部に比較的余裕ができることからオープントップを電動で作動させ、ボディ内部に格納できるように設計しました。収納状態からルーフトップが装着されるまでの所要時間は約20秒です。

S660は座席の後ろにエンジンがあるため、ルーフを格納するスペースすら設計されていません。ルーフは折りたたみ式のロールトップとなっており、普段はフロントフード内に収容、必要な時に取り出して手動で装着する仕組みになっています。

ルーフをコンパクト化したロールトップのため、運転席後ろには巨大なロールバーを設置、エクステリアはルーフのないクーペのようなフォルムとなっており、運転席の開放感はコペンに比べるとかなり劣ります。

このデメリットを少しでも解消しようと、S660のフロントウインドウは傾斜角やサイドへの回り込みを徹底的に研究、ドライバーに視点からつねに空が見えるデザインとなっています。

S660がミッドシップ方式にこだわった理由とは?

コペンのエンジン特性 S660のエンジン特性
最高出力:47kW(64PS)/6400rpm
最大トルク:92N・m/3200rpm
JC08モード:25.2km/L
最高出力:47kW(64PS)/6000rpm
最大トルク:104N・m/2600rpm
JC08モード:24.2km/L

S660がオープントップの爽快感を犠牲にしてまでミッドシップのレイアウトにこだわったのは、高い操縦性能が理由です。

F-1などレース専用マシンはすべてミッドシップであることからも分かるように、車の部品の中でもっとも重いエンジンを車体の中央にマウントすると、車体の前後の重量配分を均等にでき、ドライバーの感覚を忠実に伝える安定した旋回性能を実現します。

S660の前後重量配分は45:55、しかも座席の後ろにエンジンがあるのでブレーキングの際でも慣性モーメントが前部に大きくかかることがなく、理想的なトラクションを生み出します。

ミッドシップに搭載されているエンジンは現在のホンダ軽自動車の主流となっているS07A型で、これまでホンダは軽自動車にSOHCタイプを搭載していましたが、このエンジンからDOHCタイプに変更されました。

N-BOXにも搭載されているS07A型ですが、S660専用にチューンされています。ターボチャージャーは作動するまでタイムラグがあるので自然吸気の方が吹け上がりは良いと言われていますが、ホンダは従来のターボチャージャーに比べて格段にタイムラグを短縮、最高許容回転数を7700回転(6速マニュアル車:CVT車は7000回転)まで引き上げたので、タコメーターの針がグングンと上がっていく爽快感を味わえます。

一方、コペンはミラにも使われているKF型を流用、ターボチャージャーを装着しているので最高出力は軽自動車の自主規制枠である64PSを発生しますが、電動ルーフを装備していることから車重が850kgと重く、S660に比べると走行性能はかなり劣ります。

コクピットまでタイトなS660!

コペンのインパネ回り S660のインパネ回り
カーナビ用ディスプレイまであり、一般的な乗用車に近い感覚で運転できる。 センタークラスターが大きく張り出したタイトな運転席。ドアトリムまでカーボン調。

同じオープン2シーターのスポーツカーですが、S660がスポーツ性能に特化、コペンはクルージング仕様となっているデザインはインパネ回りにも表れています。

コペンはセンタークラスターやダッシュボードの一部にカーボン調パネルを装飾してスポーティ感を演出していますが、メーター回りは一般的な軽自動車と同じレイアウトで、メーター内には燃費効率を上げる運転のアシスト役となるecoリーフゲージまであります。

S660はセンタークラスターを大きく張り出させ、助手席と運転席をはっきりとセパレート、運転席をタイトにしてレーシング気分を演出しています。また視覚だけでなく聴覚でも楽しませてくれるのがS660です。運転席の後ろから聞こえるエンジン音はミッドシップでなければ味わうことができません。

まとめ

S660は本格的なスポーツドライブを楽しむタイプ、コペンはオープンエアのクルージングを楽しむタイプです。

両車のニーズがバッティングすることはありませんが、MR方式はダイレクトに操舵が伝わるため、操縦が敏感です。

コーナーでステアリングを切り過ぎると重心位置が中央にあるので簡単にスピンしてしまいます、日頃からゆったりとスポーツカーを楽しむのであれば、コペンがお勧めです。

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