軽自動車のOEMとはなにか?
軽自動車を選んでいると時に、お店のセールスマンに、「この車はSUZUKIのOEMだから、性能はほとんど同じです。」というようなことを、いわれることがあると思います。
はじめてOEMと聞く人は、はて?って感じですよね。思わず知ってるフリをしてしまいますよね(笑)
OEMは正式には、【Original Equipment Manufacturing】といいます。略して、[相手先ブランドの車を製造して、供給すること]という意味になります。
例えば、スズキはマツダにOEM供給しています。スズキでは、ワゴンRを製造・販売しています。マツダはフレア(旧AZワゴン)を販売しています。製造はしていません。
マツダはフレア(旧AZワゴン)を製造はしていませんが、販売はしています。
これは、マツダがスズキのワゴンRをOEMとして、供給してもらっているからです。
マツダは何億円ともいわれる、軽自動車開発コストなしに、ワゴンRと中身が同じのAZワゴンを販売できるのです!
わかりますか?おいしい話ですよね。もちろんOEM契約をするのにもお金がかかりますが、自社で1から開発するよりは、お得なんでしょうね。
参考にスズキのワゴンRとマツダのフレアを見てみましょう!
スズキ・ワゴンR | マツダ・フレア |
見比べてみていかがですか?似てるでしょ?というより、フロントのデザイン以外ほぼ同じです(笑)マツダはワゴンRに少しだけ手を加えて、ロゴを変更して販売しています。
軽自動車業界では、販売したときの利幅が小さいので、OEMがとても盛んに行われています。
OEM契約をしているメーカー
各自動車メーカーのOEM事情!
軽自動車の好調な販売成績を受けて、軽自動車のOEMは以前に比べ、活発になっています。ここでは各メーカーのOEM関係と軽自動車開発状況を説明します。
スズキ
現在、三菱と日産、マツダに供給を行っており、3社がOEMを受けて販売している車種は合計で19車種となっています(商用を含む)。とくに1BOXのエブリイワゴンはスズキを含む4社から販売されており、商用を含めると普通車でも例を見ない8姉妹車となっています。
スズキは軽自動車の歴史を変えたといわれるトールタイプのワゴンRを開発した経緯があり、以来、軽自動車業界を牽引するトップランナーを維持していますが、軽自動車のマーケットは日本に限られていることから危機感を抱いており、脱・軽依存を図ろうとしています。
したがって現在の規模で今後も各メーカーに供給されるという確証は今のところ、ありません。
ダイハツ
軽自動車ではスズキのライバルであるダイハツはトヨタグループに属していることから、供給を行っているのは同じくグループ会社のスバル、親会社のトヨタだけです。
ダイハツは軽自動車の革新的技術を持ちながらも、車種をそつなくまとめているのが特徴です。この辺り、トヨタグループの大きな影響を受けていることがよく分かります。
トヨタ
トヨタはダイハツから供給を受けていますが、軽自動車の販売に積極的ではありません。トヨタのディーラーを使って軽自動車販売を積極的に行うとダイハツの販売台数が落ちてしまうことが理由です。
それでも軽自動車を販売しているのは、トヨタ・ユーザーがセカンドカーとして軽自動車を求めることに対する顧客サービスからです。
日産
日産は単独で軽自動車を開発していませんが、三菱と共同出資で合弁会社NMKVを作り、そこか開発した軽自動車を販売しています。
他にもスズキから軽自動車を、普通商用車ではマツダから供給を受けている一方で、三菱には商用車や大型セダンを供給するなど、もっとも複雑なOEM関係を築いています。
三菱
日産と同じくMNKVで開発した車種を販売している他、スズキからも供給を受けて販売しています。三菱は以前、軽自動車の開発も行っていましたが、現在は販売終了となったi(アイ)を流用して電気自動車の開発に力を注いでいます。
マツダ
マツダもキャロルなど優秀な軽自動車を多く世に送り出しましたが、1990年代には軽自動車から撤退、早くもスズキから供給を受けていました。現在、SKYACTIVを始めとする新技術によって業績が向上、軽自動車からの撤退は結果的に好成績に結びついています。
スバル
国民車スバル360を作った富士重工のブランド、スバルもトヨタグループに収まってからは軽自動車を開発しておらず、ダイハツから供給を受けています。
技術力を普通車に集中できたことから業績は向上、自動車メーカーとしては最小規模でありながら純利益率でトップに立てたのも、トヨタグループによる影響といえます。
ホンダ
国内自動車メーカーで、唯一、OEMを行っていないのがホンダです。ホンダの軽自動車はホンダ以外では買えないというブランド力を高める戦略を取っています。
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