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軽自動車とコンパクトカー、燃費がいいのはどっち?

運転

軽自動車とコンパクトカーのメリットはともに経済性です。

かつて、軽自動車は燃費がいいけれど車内が狭いとか装備が貧弱などと思われがちで、セカンドカー扱いされていましたが、スーパーハイトワゴンなど車高を上げる車種の登場で車内の圧迫感を解消、さらに装備を普通車クラスにも劣らぬほど充実させて、現在はファーストカーの地位を獲得しています。

しかしその分、車重が増えたことによってコンパクトカーとの燃費効率差が縮まっています。ここではそれぞれのカタログ値を元に燃費効率の検証を行います。

1.軽自動車とコンパクトカーの燃費効率が高い車種は?

両車種ともに経済性が大きなセールスポイントとなっているため、燃費効率を上げる最新技術が投入されており、最高水準に達している車種は驚異的なカタログ値を記録しています。

まずは、それぞれの燃費効率で最高クラスの車種を上げます。

1-1.軽自動車では2BOXハッチバックタイプ

現在、軽自動車の中でもっとも燃費効率が良いとされている車種はダイハツのミライースとスズキのアルトです。ミライースはJC08モードで35,2km/L、アルトは37.0km/L(2016年6月現在:変更の可能性あり)を達成しています。

両車のカタログ値は接近していますが、燃費効率を高める技術は大きく異なっています。

ミライースは既存の2BOXハッチバック、ミラをベースにエンジンやトランスミッションの熱を交換して効率を高め、ボディ形状を見直して空力性能を高めています。

一方のアルトは2014年のフルモデルチェンジでプラットフォームから刷新、全体の設計を新しくして徹底した軽量化を行いました。結果、車両重量は軽自動車の中でも最軽量となる650kgを実現しています。

1-2.コンパクトカーではハイブリッドが断然優位

コンパクトカーでもっとも燃費効率が高いとされている車種はトヨタのアクアとホンダのフィットハイブリッドです。

JC08モードではアクアが37.0km/L、フィットハイブリッドが36.4km/Lと、軽自動車のトップと変わらぬ記録を残しています。

両車で異なる点はハイブリッドシステムです。

ホンダはエンジンとトランスミッションの間にモーターを配置する一般的なパラレル方式であることに対し、アクアはエンジンとモーターのパワーを適正配分する独自のトルクスプリット方式を採用しています。

ただし機能的に大きな違いはなく、スタート時にモーターだけで走行したり、高速時には燃費効率が良くなるエンジンだけで走行したりすることも可能です。

2.売れ筋車種を比較する

現在、軽自動車の売れ筋車種は全高1.7mを超すスーパーハイトワゴンです。

各メーカーとも力を注いでいる車種であり、車内装備も豪華になっていますが、その分、価格も高くなってコンパクトカーと同等、グレードによっては上回ることもあります。

一方、コンパクトカーのガソリンエンジン搭載車は2BOXハッチバックタイプが主流で、価格も低く抑えられています。価格面で接近している両車の燃費効率を比較します。

2-1.やや燃費効率が劣るスーパーハイトワゴン

軽自動車のスーパーハイトワゴンは車内空間を高く取ることが目的で開発された車種です。

したがってボディ形状はどうしても1BOXタイプに近くなり、前面投影面積が大きくなって空気抵抗が高くなるという欠点を持っています。

またファーストカーとしての資質を高めるために装備面を充実させていますが、その分、車重が増えることも燃費効率を下げてしまう要因になっています。

ホンダのN-ONEは軽自動車業界の二強、スズキとダイハツの間に入るほど好調な売れ行きを見せているスーパーハイトワゴンですが、JC08モードは自然吸気エンジンで25.6km/L、ターボモデルは23.8km/Lとなっており、ミラクルオープンドアで高い人気を維持しているダイハツのタントはそれぞれ28.0km/L、26.0km/Lで、燃費効率に関しては軽自動車の中でも低い部類に入ります。

2-2.ハイブリッド以外でも燃費効率が良いコンパクトカー

デミオ

コンパクトカーはアクアやフィットといったハイブリッド仕様以外でも好燃費を記録しています。

中でもマツダのデミオは独自の技術SKYACTHIVを用いたクリーンディーゼルを搭載してJC08モード30.0km/Lを達成、売れ筋の軽自動車が持つカタログ値を上回っています。

使用する燃料が軽油であることも経済性を高める要因のひとつです。

トヨタのヴィッツはオーソドックスな2BOXハッチバックのコンパクトカーで、搭載しているガソリンエンジンは1.0L、1.3L、1.5Lの3種類が用意されています。

このうち、もっとも燃費効率が良いのは1.3Lで、JC08モードは25.0km/Lを記録しています。これらの燃費数値を見る限り、軽自動車とコンパクトカーにおける燃費効率にほとんど違いがないといえます。

3.軽自動車とコンパクトカーの価格を比較する

軽自動車とコンパクトカーの燃費効率がほとんど同じであれば、コンパクトカーの方がいい、と考えがちですが、その前に車両本体価格の違いを知る必要があります。

3-1.燃費効率の良い軽自動車は価格が安い

アルトやミライースは燃費効率を開発目的の最優先としている車種であると同時に、初めて軽自動車に乗る人のエントリーカー、普通車を持っている人のセカンドカーという位置づけなので車両本体価格が安く抑えられています。

アルトのベースグレード、Fは約84.8万円、ミライースのベースモデル、Dは約76.6万円と、乗り出し価格(総費用)を含めても100万円以下で購入することができます。

一方、アクアはベースグレードのLで約176万円、フィットは最廉価モデルで約169万円と90〜100万円近い差額が生じます。

3-2.売れ筋車種でも差額は歴然

ファーストカーのポジションを獲得したスーパーハイトワゴンは軽自動車の中でも高価な設定です。オーソドックスなコンパクトカーとの価格差は縮まっていますが、それでも相当額の格差があります。

デミオの最廉価バージョンは約178.2万円、ヴィッツのベースグレードFは約144.8万円で、対するN-ONEのベースグレードCは約119.8万円、タントのベースグレードKは122.0万円と20〜50万円の違いが見られます。

初期費用と燃費効率だけを比べるならば、軽自動車の方が経済的といえます。

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