軽自動車を売る5つの方法とメリット・デメリット・注意点
- 執筆者 モータージャーナリスト 金子
- (@car_kaneko)
車の乗り換え・買い替え・手放すなどで、今乗っている軽自動車を売る機会があります。
軽自動車を売る方法は全部で5種類ありますが、それぞれ方法やメリット・デメリットが違い、注意点も異なります。
売る方法を間違えて後で後悔することのないように、当ページを参考にしていただけますと幸いです。
軽自動車を売る最も良い方法はこちらから買取業者に売ることです。
軽自動車を売る5つの方法
車を売る方法は下記の5種類です。
- 下取り
- 買取
- 個人売買
- 廃車
- 友人・知人
それぞれのメリット・デメリット・注意点について解説したいと思います。
1.下取り
車を売る人の内、約6〜7割の人が選択する方法です。下取り(したどり)と読みます。
これは新しく車を購入するお店(ディーラー・中古車販売店問わず)でそのまま今乗っている車を売る方法です。
メリット
下取りの最大のメリットは手間がかからないということです。購入店でそのまま売る手続きまでできるので、労力は最小限で済みます。
デメリット
新しく車を購入するお店がディーラーの場合、買い取り専門ではないので下取り価格が安くなりやすいというデメリットがあります。
また、下取りは買い取り額が新しい車のお見積書に組み込まれています。「下取り価格」というような項目に金額が記載されています。
下取り価格は購入金額から差し引きされ総支払額が算出されますが、車を購入する多くの場合で「値引き」が発生します。車体価格からの値引きです。
例えば、車体価格から10万円の値引きがあったとしましょう。下取り価格は20万円です。総支払額から差し引かれるのは30万円ですね。
ここで1種のごまかしが行われるのですが、下取りに出すと車体価格からの値引き額と調整されるケースが多いのです。
例えば、車体価格からの値引きが15万円です。しかし下取り価格は15万円と提示されたケース。またその逆もあり、下取り価格が25万円になりましたが車体価格の値引きが5万円になるケース。
このように、下取りがあるとお店側で容易に値引きの金額調整が可能になるのです。要は、お店に利益を調節する材料を与えてしまうということです。
下取りは手間がかからない代わりにこういったデメリットがあります。
注意点
前述の通り、車体価格からの値引きと下取り価格を調節されてしまう恐れがあるため、下取りの見積書は別で作成してもらう方法があります。
これであれば車体価格からの値引きと下取り価格からの値引きを別物として扱っていきやすくなります。
ただ、下取りがある前提での値引きなど条件をつけられて交渉が難しくなるケースもあります。
ですので、今乗っている車は購入店での下取りをやめて買い取り業者への買い取りにすると、それぞれ交渉がしやすくなり、総額として値引き額を大きくすることができます。
2.買取
車を売る方法として従来は下取りが主流でしたが、少しずつシェアを伸ばしているのが「買取」という方法です。
これは、車の買取専門業者(販売もしているところも多い)に車を売ることで、こちらから査定依頼をして査定額を出してもらい、OKであれば車を売るという方法です。
メリット
ほとんどの買い取り業者が無料出張査定を行っていますので、自宅やこちらの指定場所まで来てもらえば手間もほとんどかかりません。
こちらから連絡をする必要はありますが、今はかんたん車査定ガイドなどで簡単に査定依頼ができますので、労力はほとんどかからないといってよいです。
店舗に足を運ばずすべて来てもらったり、郵送でのやりとりで完結します。
また、下取りと違い複数の買い取り業者に査定してもらうことで、買い取り価格を競争させることができるので、高く売れやすいというメリットがあります。
デメリット
日本全国には大手から中小の買い取り業者までさまざまありますが、車の売買は大金が動く取引ですから、少なからずトラブルが報告されています。
ですので、買い取り業者は大手で安心できるところをおすすめいたします。
参考:車買取業者人気ランキング
注意点
買い取り業者の査定は必ず複数社に行うということです。
買い取り業者の査定員は1社で決めてもらうため、「どこもこんなもんだと思います。」などと営業トークをしかけてきますが、信じてはいけません。
必ず3社以上には査定してもらうようにしましょう。査定額は確実に上がります。
3.個人売買
現在、ネットオークションを使っての個人売買が盛んに行われており、車を売る際にもネットオークションを利用することが増えてきました。
一部、雑誌やガソリンスタンドなどで個人売買掲示板があり、アナログな方法で売買するケースも残っています。
メリット
個人売買は仲介業者が一切入らず買い手と売り手の間だけのやりとりになるので、仲介手数料などのマージンが入らず、その分高く売ることができる可能性があります。
デメリット
個人売買はなにしろ手間と労力がかかります。車をネットの写真だけで購入するケースはあまりなく、多くは実車確認を行います。
その連絡の手間や予定を入れる手間、実車当日のやりとりなど、どんな人が来るのかわからない中での対応はけっこうな負担です。
また個人売買は個人が参加しているかと思いきや、実際は業者であるケースも多く、あまり高く売れないこともあるのが現状です。
安心感が低くかつ高く売れないのであれば、選択する意味はありません。
注意点
車は数十万円〜数百万円という大金の価値があるものですから、そこには誠実な人だけではなく悪い人たちも集まります。個人でも業者でもです。
買取の強要や代金の不払い、名義変更がされない、連絡がとれないなど、個人売買にはトラブルがつきものです。
一般の方は車のような大金が動くものについては手を出さないのが賢明です。
4.廃車
廃車は、自分で廃車手続き(永久抹消登録)を行って、解体業者・スクラップ工場に車を持っていって処分してもらう方法です。
追加費用がかかることも多いため、売るというよりは処分してもらう方法と考えたほうがよいでしょう。
廃車の場合、車を再度販売するというよりは、スクラップにして鉄くずとして換金するというビジネスモデルです。
メリット
車の状態があまりにも悪く、下取りでも買取でも引き取ってもらえない場合、追加費用はかかりますが車を処分することができます。
また、廃車を行っている業者の中には無料引き取りや手続き代行も行っているところもあります。
参考:下取りできない車の特徴
デメリット
廃車はやはり車に一銭の値段もつかないということが最大のネックです。
値段がつかないばかりか廃車には数千円〜数万円の別途費用もかかるケースが多いです。
注意点
前述のとおり、廃車は手間もかかりますしお金にもならないので、何か深い理由があるのではない限り、買取を選んだ方がよいでしょう。
例え買取業者で0円査定になったとしても、手続き等の代行費用を無料で行ってくれるケースも多いからです。
どうしても下取り先、買い取り先が見つからない場合のみ選択するようにしましょう。
5.友人・知人
車を友人や知人に有償で譲るという方法です。
個人売買の1種ですが、ここではネットオークションではなく個人間でのやりとりを指します。
一見安心できる方法のようですが、注意したい点もあります。
メリット
気心の知れた信頼できる友人・知人であれば安心もできますし、仲介業者を通さないので、高くも売れやすいです。
また、程度のわりに値段が安ければ、友人や知人に感謝されるというメリットもあります。
デメリット
まず手間がかかるということがあります。
車検証の名義変更や保険の切り替えなどすべて自分で行う必要があります。
また、友人・知人に売る場合、他社と競争させることが実質できない(できにくい)ので、結果的に高く売れないことが多いです。
あまりお金にうるさいと友人関係にヒビが入ってしまう恐れもあります。
また、売買後、車に知らなかった傷やへこみ、故障などが発見されることもあります。
そんな時、お互い言いにくいですし、修理代が高くついた場合など、結局損をしたような疑念が生じてしまいます。
注意点
車の売買ではお金の問題や名義など契約の問題、売買後の損傷や故障など、もめごとに発展する恐れがあります。
車の売買がきっかけで友人・知人との信頼関係にヒビが入ってしまうのももったいない話です。
そのため、タダ同然で譲る以外はあまりおすすめしません。
結局、軽自動車を売るためにはどの売却方法が1番いいか?
こちらのページでは、車を売る方法として下記の5種類について解説してきました。
- 下取り
- 買取
- 個人売買
- 廃車
- 友人・知人
それぞれのメリット・デメリット・注意点をまとめると下表のようになります。
※1〜5までの5段階で評価しています。(5が1番良い)
下取り | 買取 | 個人売買 | 廃車 | 友人・知人 | |
---|---|---|---|---|---|
買取価格 | 3 | 4 | 5 | 1 | 2 |
手間 | 5 | 5 | 1 | 2 | 1 |
信頼性 | 5 | 5 | 1 | 4 | 4 |
総合点 | 13 | 14 | 7 | 7 | 7 |
このような結果となりました。
それぞれ一長一短がありますが、最も総合点が高かったのが買い取りになります。その次が下取りですね。それ以外は、どんぐりの背比べです。
結果的に下取りと買取のどちらでも自分の都合の良いほうでよいですが、金額的には数万円変わってきますので、何か特別な理由がなければ買取を選択しておいた方がよいという結論になります。
ぜひご参考ください。
こんなに違う!軽自動車を下取りで売る相場と買取相場
上でご説明したように、車はディーラーに下取りに出すよりも、買取店に持っていったほうが高値で売れる可能性が高いです。
実際にどの程度、金額に差があるのか、特に最近人気の高い軽自動車を例にとって比較してみます。いずれも3年落ちの場合の相場です。
車種(グレード) | ディーラー下取りの相場 | 買取店の買取相場 |
---|---|---|
ホンダ N-ONE (ツアラーCVT 660cc) |
66〜76万円 | 76〜90万円 |
スズキ ラパン (G 4AT 660cc) |
37〜47万円 | 70〜83万円 |
スズキ エブリイワゴン (PZ TB 4AT 660cc) |
76〜86万円 | 90〜106万円 |
ダイハツ コペン (エクスプレイ 5MT 660cc) |
88〜100万円 | 126〜142万円 |
ダイハツ タント (G SA CVT 660cc) |
66〜76万円 | 101〜117万円 |
※日産「下取り参考価格シミュレーション」および価格com.「自動車・バイク」を参考に算出
このように、同じ車種・グレード・年式でも、ディーラー下取りと買取ではかなり金額が異なります。
もちろん車の状態や走行距離などにもよりますが、一般的には買取のほうが高く売れることがおわかりいただけると思います。
軽自動車はなぜ下取りよりも買取のほうが高いのか?
ディーラー下取りが安い理由はいくつか考えられますが、もっとも大きいのは「ディーラーは新車を売るのが主な商売だから」です。
ディーラーにとって車の下取りは、新車を買ってくれるお客さんのためのサービスのようなものに過ぎません。ですから無理に高く買い取る必要はないし、むしろ高く買い取ってしまうと弊害があります。
ディーラーとしては、お客さんになるべく短いスパンで新車に乗り換えてもらうことが理想です。そこで、「今乗っている車の価値が下がる前に下取りに出して、次の車に買い替えませんか?」という営業をします。
実際、まだ新しく走行距離も少ない車であれば、ディーラーでも買取店に引けをとらないほど高く下取りしてくれる場合があります。その分、新車の購入費用が安く済むということです。
しかし、年式の古い車を高く下取りしてしまうと、肝心の新車購入に結びつかなくなるため、ディーラーではあえて買取店より低い価格でしか下取りしません。
たとえば3年乗っても5年乗っても大して下取り価格が変わらないなら、多くの人は5年乗ってから買い替えようとするはずです。
一方、買取店は買い取った車を販売することで経営を成り立たせていますので、新車を販売するディーラーとは利益の構造からして違います。
そのため、多くの車を買い取る必要があり、他店より少しでも高く買い取ろうと努力してくれるのです。
特に軽の中古車は需要が高いため、普通車よりも中古の市場価格が落ちにくいメリットがあります。せっかく売るなら、安易にディーラーに下取りに出すよりも、高く買い取ってくれる買取店を選ぶのがおすすめです。
また、買取店同士で競合させることでさらに価格をつり上げることもできますので、一括査定サイトで複数の業者に見積もりを依頼してみましょう。
軽自動車を一番高く売るための、買取査定の見積もりのとり方
軽自動車は、買取専門店で売るのがもっともおすすめですが、何も考えず近くにあるお店にただ車を持ち込んでしまっては、思うような高値がつかない可能性があります。
買取店で高く買い取ってもらうためには、いくつかのコツが必要なのです。
その中でも、絶対に押さえておきたいのが「査定は最低でも2〜3社に依頼する」ということ。そして、「一括見査定サイトを通して見積もりをとる」ことです。
買取店にとって、じつはネット経由のお客さんは一番やっかいな存在といえます。ネットを使いこなしている時点で、買取に関する知識をある程度もっている可能性が高いですし、しかも一括見積もりサイト経由となると、その時点で他店との競争が起きていることになります。
そのため、飛び込みで査定を受けに来たお客さんと、一括査定サイトから来たお客さんが相手では、最初に提示される査定額が違うことも普通にあるのです。
せっかく高値で売れる軽自動車でも、看板を見かけたからという理由でなんとなくお店に行って査定を受けてしまったのでは、かなり低い金額で様子見される可能性があります。
そこからうまく交渉できればいいのですが、そもそも自分の車の買取価格の相場も知らないような人ですと、ひどい場合はそのまま納得して売ってしまうこともあるのです。これでは、買取店としては大ラッキーですね。
大切な愛車を正当な価格で売るためにも、かならず一括査定サイトを通して複数の買取店から見積もりをとり、じっくり比較検討することを強くおすすめします。
軽自動車を売るまとめ
軽自動車を売る5つの方法と、それぞれのメリット・デメリット・注意点についてご紹介しました。
価格だけでみるなら、中間コストが一切かからない個人売買がもっとも高いのですが、車のような高額商品を知らない相手に直接売ることにはやはりリスクがあります。
特に多いのは名義変更に関するトラブルで、売ったはずの車の車税の納付通知書が届いたり、車を良くないことに使われてしまったりする事例が実際に起きています。
また個人売買では、後から車にクレームをつけられた場合も大変です。
一方、買取店ならディーラー下取りよりも高く買い取ってもらえますし、プロの査定士が査定した上で買い取ってくれるため、売却後のトラブルも起きにくくなります。
また大手の買取店なら、出張査定や代車の貸し出しなどを無料で行なうところがほとんどです。
中古車市場で人気の高い軽自動車だからこそ、しっかりと比較検討の上、高額買取してくれる業者を選ぶようにしましょう。
今お持ちの車を1円でも高く売りたいなら、複数の買取業者に価格競争をさせて買取価格を吊り上げることが大切です!以下の一括査定サイトでは、ガリバー・アップル・ラビットなど大手買取業者最大10社に一度の入力で一括査定依頼をすることができますので、手間が省けて非常に効率的です!※ 名前や電話番号、住所など正しく入力しないと正しい査定が得られませんので注意してください。
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最近の軽自動車は車体価格が普通車並みに高くなっていますので、保証付きの優良中古車を選ぶ方が増えています。
新車を検討している方も、比較のために1度は中古車見積もりをとっておくことをお勧めいたします(^^)※氏名・電話番号は必ず正しいものを入力しましょう!
1位の車査定サービス
車を購入するお店でそのまま車を「下取り」にだすと、下取り価格を高くする代わりに値引額を下げられますので結局損をします。
軽自動車を最も高く売るためには、複数の買取業者に見積もりをとって買取価格を比較することが大切です!
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